++ ランキー ++





苦しい・・・助けて・・・
あの人は、あの人はどこ・・・?
あの人がいないと私は・・・生きていけないの・・・






夏海域の夏。つまり常夏真っ盛り。
暑い。半端じゃなく暑い。いやもうむしろ熱い。

私は生粋の冬島生まれ冬島育ち。
暑さにはとことん弱いのだ。
こんなの、死んでしまう・・・。

よろよろしながら船内を歩く。
意中のあの人を捜し求めて・・・。

「あ、ナミ・・・フランキー知らない・・・?」
「フランキー?見てないけど・・・っていうかアンタ大丈夫?」
ちっとも大丈夫じゃないよ・・・
なんでみんなそんなに平気そうなんだ。

フランキーがどうかしたのと尋ねられたが
何でもないから気にしないでとぼそぼそ伝えてまた歩き出す。


フランキー・・・フランキー・・・


廃人のようにふらふらと歩いていると今度はロビンちゃんと
彼女に給仕中のサンジ君を見つけた。

「ねぇ、フランキー知らない・・・?」
「さぁ、私は見てないけど」
「俺も・・・っていうかちゃん大丈夫かい?そんなふらふらして。
冷たい飲み物でも作ろうか?」

冷たい飲み物・・・とても甘美な響きだわ・・・
でも、今の私に必要なのはそんなものよりフランキーなの。

「なんでそんなにフランキーを探してるんだい?」
「だって・・・私はもうフランキー無しでは生きていけない体だから・・・」

言えばサンジ君は何やらショックを受けたような顔をして
ロビンは意味深な微笑を湛えた。
何か誤解された気がする・・・まぁいいか。
今はそんなことよりフランキーだ。


フランキー・・・フランキィィィィ・・・ッ!


脳内が茹りそうになった頃、ようやく甲板の木陰の下にその人を発見した。
いたぁ・・・っ!

重い身体を引き摺って私はフランキーに近づく。
これでやっと・・・












(・・・なんだ?体に力が入らねェ・・・?)

木に寄りかかって昼寝をしていたフランキーは体のダルさを感じて目を覚ました。
薄っすら目を開くと自分の膝の上に首から下しかない女の体がのっかっている。


「ぎゃー!!オバケーーッ!・・・ってお前ェなにしてんだコラァ!」


それは頭のないお化けではなく、仲間の一人である
いつもはエネルギー源であるコーラを入れているフランキーの腹の中。
その小さな冷蔵庫のような空間に彼女は頭を突っ込んで横になっていた。
おかげでフランキーのリーゼントはふにゃりと垂れ下がっている。


「す〜ず〜し〜・・・暑い日はフランキーの腹の中に限るよね」
「ふざけんなァ!てんめェ何勝手に人の腹ん中からコーラ取り出して頭突っ込んでんだよ!
っつーかどさくさに紛れて一本飲んでんじゃねェか!」

傍らに転がるコーラの空瓶を見て憤怒するフランキーに構わず彼女は暢気に涼む。

「やーっぱコーラは旨いやねェ。暑い日なんか特にサイコ〜」
「ったりめェだ、コーラはスーパー美味ェんだよ・・・って違ェッ!いいからさっさと出ろ!」
「ひ、ひどい!私フランキー無しでは生きていけない体なんだよ・・・っ!?」
「妙な声出して紛らわしいこと言ってんじゃねェよ!てめェただ単に涼とりてェだけだろうが!」


無理やり引きずり出そうとするが彼女はひしっとフランキーの体に抱きついて離れない。
エネルギー源を奪われているフランキーはさほど力も入らないため中々思い通りにはいかなかった。
やがて諦めたようにため息をついたフランキーを彼女は嬉しそうに見上げる。


「にししッ、何だかんだ言って嬉しいくせにぃ。こうやって私がフランキーにくっついてるのがっ」
「ばっ、何言ってんだ!俺ァ別に嬉しくなんか・・・」
「頬を染めるな気持ち悪い!」
「お前ェは鬼かっ!!」



ぎゃーぎゃーと騒ぐ二人を他のクルー達が呆れたり笑ったりしながら見守っていた。













(コーラごときに独占されてたまるもんですか!)








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彼女があそこに入るとフランキーは何に変身するんだろう?