−元旦の願い−
年の暮れに島に上陸した私たちは新たな年をそこで迎えた。
島の人に隠れた穴場の神社があると聞き
私たちはお参りをしようと早朝からそこへ向かった。
「何を祈ろうかしらねぇ?」
「俺は肉いっぱい食えるよーに頼むぞ!」
「神ぶっ飛ばした奴がよく言うよ・・・」
「俺はみんなが病気しないようにお願いするんダ」
「船医さんは優しいわね」
「そっ、そんな事言われても嬉しかねーぞっコノヤロがッ!」
今年もまたくねくね踊るチョッパーは可愛い。
「俺は神には祈らねェ」
「マリモは協調性っつーもんが足りねェんだよ」
「よし、お姉ちゃんが代わりに『迷子になりませんよーに』ってお願いしてあげるからね」
「いらねーよっ!」
いや、結構切実な願いよコレ?
「ナミがお賽銭入れる姿なんて想像できねえな」
「・・・そこはほら、心意気よ!」
「入れねェ気かよっ!」
「それにしても長っい石段ね。頂上がまだ見えない・・・」
「着物着てこなくて正解だったわね」
「きっ、着物っ!!?さんの着物姿見てェーーー!!」
「年明けたばっかなのに、サンジは今年も煩悩でいっぱいだな・・・」
「108つじゃ足りなかったみたいね」
「・・・三百煩悩攻城砲でふっとばすか?」
今年もゾロとサンジの喧嘩は無くならなそうだ・・・
「それで、さんは何を祈るんだい?」
「そうだなぁ・・・去年までは毎年ゾロが無事なようにって祈ってたけど、今年からは自分の目でそれを確認出来るしね」
笑いかけるとちょっと驚いたようにしたゾロがそっぽを向いた。
「・・・照れンじゃねえよ、気持ち悪ィ」
照れてねェ!とサンジに叫ぶけれど、顔が真っ赤だ。
・・・可愛い奴め。
「・・・仕方ねぇから手ェ合わすフリだけ付き合ってやるよ」
居心地悪そうに頭を掻く姿が微笑ましくて、思わず笑った。
今年は・・・みんなの夢が叶うようにと祈ろう。
そして、そんな風に願える仲間達に出会えたことに
みんなと一緒にいられる事に感謝しよう。
ようやく頂上について、賽銭箱にベリーを投げると
みんなで並んで手を合わせた。
みんなは何を祈っているのかな
ゾロあたりは大剣豪になる事を喧嘩腰で神様に宣言しているかもしれない。
・・・みんなも実はそんな感じかも?
それぞれの夢を掲げながら、神に叶えてもらうんじゃなく
自らの手で掴み取っていくんだ。
だって彼らは・・・私たちは、海賊だから。
ふと、隣から
「今年はさんとの仲をマリモに邪魔されませんよーにっ」
と切羽詰った感じの呟きが聞こえてきた。
薄めで横を窺うと、サンジがむむむ〜っ!と必死の形相で手を合わせている。
もしかして口に出してるつもりないんだろうか・・・?
さっきの話も実はすごく焼いていたのかもしれない。
なんだか可哀相になってしまって
今年はこの哀れな恋人をもう少し甘えさせてあげても良いかもしれないと
目を瞑ったまま笑いそうになるのを堪えた。
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良い年になりますよ〜にっ!