−君の定位置−
寒ィなと思って目が覚めた。
ぼんやりと見慣れない部屋に目をやってから
あぁ、昨日は宿に泊まったんだっけと思い出した。
随分端によって寝ていた自分に気づいて苦笑する。
右を向いて眠る癖はいつまでたっても直らない。
朝起きて、その温もりを探しては失望する繰り返し。
と眠っていた時は寝相が悪いっていつも怒られていた。
でもいつのまにか一人分のスペースを空けて
そちらを向いて眠るのが習慣になっていった。
一人で眠るようになってからもそれは変わらないまま。
のそりと起き上がると、その寒さに身震いした。
ここは冬島、窓の外は一面真っ白だ。
上着を着る習慣はないが
さすがにこれじゃあ外套を羽織らざるを得ない。
そういえば涼しくなるといつも
見ているこっちが寒いからと
俺に無理やり上着を着せようとしてたっけ。
そのしかめっ面を思い出して顔が綻んだ。
チェックアウトしてから外へ出ると
踏みしめる足音がきゅっきゅっと鳴った。
こんなに沢山の雪を見たらきっと喜ぶだろうなァ。
笑顔で走り回る光景が目に浮かぶ。
あーあ、なんだって俺はさっきから
の事ばっか考えてンだ、と自分に呆れる。
まぁ、今にはじまった事ではないけれど。
なぁ、
俺は人より体温が高ェから
寒さなんて平気なはずなんだけど
なーんでか右腕だけが寒ィんだよ。
なァ、なんで俺の隣にいないんだ?
ここはお前の定位置だろうが。
くだらねェ事を考えながら
腕に絡みつく温もりがないことに虚しさを感じる。
ぐっとテンガロンハットを被りなおすと
そんな甘ったれた考えを振り切るかのように歩みを速めた。
、ちゃんと待っててくれてるか?
俺のこと忘れんじゃねーぞ?
ティーチの馬鹿を捕まえて
おやじを海賊王にしたら
必ず迎えにいくから
だから、その時まで・・・
冷たい風を感じながら
空いたままのその場所で
が笑ったような気がした。
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早くエースの無事を確認したい(泣)